分譲

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分譲の話の前に

在来種について

 北海道に住んでいながら北海道の食虫植物の状況も知らず,産地も分からないようなモウセンゴケ(D.rotundifolia)やナガバノモウセンゴケ(D.anglica),タヌキモ,または生ミズゴケなどをネットやお店で買ったりする人もいるようです.これには本当にがっかりさせられます.いくらでも自生地へ案内しますし,採集の是非以前に,開発など人間の活動のためにひどい扱いを受けていたり,植生の遷移の中で人知れず消えていくものもあるのです.

 またオークションなどでは言葉巧みに“店頭では外国産ばかりで日本産のモウセンゴケは見掛けません”などと,さも珍しいものであるかのようにモウセンゴケを売っていたり,そうかと思えば,最も身近に見られるなどと言いながら,種子200粒以上300円*1などと執拗に売る輩も存在するようです.身近に見られるというのであれば,それを人に案内するのではなく,ただ売っていることに疑問を感じないのでしょうか.自生地の現状を知ることもないまま,そのようなものに引っかかる不幸な人もいるようです.お金をもらう側は都合の良いことは言うでしょうが,元々は経済的価値の範疇にはなく,カモ相手の商売であることに気付いて欲しいものです.

 当方でも余剰株を分譲していますが,うちから買えという話ではありません.地元にも存在している植物があるのに,それを大切にせず,まるでオモチャでも買うように買ってきて,チマチマと家で育てることを良しとするわけではないのです.道内道外に関わらず,それぞれの地域に目を向け,地域にあるものを大切にしましょうということです.

 なお,この話は,在来種を栽培しましょうという意味でもありません.在来種がそれほど出回っていないのは,元々,いわゆる雑草の部類であり,売り買いの対象ではないことや,園芸的には栽培が難しいからという理由もあると思います.雑草のように生えている場所が少なくなり,保護区域にしか残されず,それをいいことに売り買いするというのは不幸なことなのです.こういうことをしっかり考えませんかということです.

「自生地の現状」という意味について

 自然体験の少ない人や都会に住んでいる人は「雑草のように生えているモウセンゴケ」と書いてもどんな状況なのか想像できないでしょう.自然公園のように「動植物の採集禁止」と書かれてあるような場所しか知らない人も多いと思います,現場を知らない頭でっかちな人ほど「自生地と言っても誰かの土地なわけだし,そこから採集するのは良くないんじゃないの」などと訳知り顔で言ったりします.果たして,その土地の所有者が自生地を大事にしてくれる所有者ばかりなら、どれほど多くの自生地が残ったことでしょうか.

 私が言う「自生地の現状」とは,保護区域があるということが,逆に,保護しない区域を作っている現状を指します.保護区域でないから,どのように開発しても構わないということになっているのです.例えばサロベツ原野で,国立公園の外であればナガバノモウセンゴケが生えていても全くお構い無しというような状況を言います.実はこのような例が多いのです.他にも,泥炭採取場に生えているモウセンゴケを知っている人がどれだけいるのでしょうか.お店で売られるピートモス(泥炭)を採取している場所はモウセンゴケの自生地でもあるのです.そのような場所を破壊してピートモスを採取しているのです.札幌近郊にもそういう場所があるのです.ネットで買いましたなどという話をする前に,そのような状況を自分の目で見ませんかと言っているのです.

越後沼(江別市)のモウセンゴケ

販売

CD 北海道食虫植物情報 2005
1992年7月4日 No.1から2005年8月16日 No.307までを収録.1000円(送料・実費込み).
北海道食虫植物情報について▶
DVD 北海道の食虫植物 2006 特別編
頓別原野や大雪山系の沼ノ原湿原のナガバノモウセンゴケ,夕張岳のムシトリスミレ.日本食虫植物愛好会 第100回 浜田山集会で上映されたものと同じ内容.約20分.700円(送料・実費込み)

*1 値段をつけるとしてもせいぜい100円程度が普通ですが,売ることばかりが先走り,産地不明や自生地の保全意識に欠けるものは論外です.

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Last-modified: 2008-06-10 (火) 01:34:37 (817d)